ゆるやかにカーブした腰にプックリふくれった口。
玉縁と呼ばれる、口にループを引っ付けたような形
の作りです。手に取る際、丸い部分が指にかかり
持ちやすくなります。口を付けたときも、感触が
柔らかくなります。昔から伝わる成形の技です。
重宝サイズの１３.５cmの直径。小鉢や取り皿、
おかずを盛るにも使い勝手の良い小鉢です。
内側には呉須の太い線と、弁柄の細い赤が２本。
十草と呼ばれる文様です。作品を見ていますと、
作りての人柄が表れるような気がします。
『手作り 手描き』にこだわる窯元ならではの器。
何をよそうのか、季節の食材にたずねて下さい。
きっと旬が「いいよ」と教えてくれると思います。

河井寛次郎氏の系譜、貞山窯岩田製陶所。
「用の美」を求める陶工、貞夫・健二両氏が
手作り･手描きにこだわった、砥部焼です。