蕎麦猪口に持ち手を付けた、シンプルなカップです。
そうなんです。蕎麦猪口は万能選手。湯飲やコップ、
サラダにプリンなどのデザート容器にも。もちろん
麺類の出汁には欠かせない食器なのです。
アール・デコの香りを漂わせる美しい直線と曲線。
江戸の初めから作られている伝統的な器にハンドル。
意外と作られていない、このシンプルな作り方。
１５０cc入るお手頃サイズに、帯のように唐草の
文様をぐるりと施しました。つけたての一筆書きで
丁寧にまじめに描きました。だから筆の最初は濃く
最後は淡く。この自然なグラデーションが手描きの
証しです。違いがわかる、厚手のカップです。
手づくり手描きにこだわるのは、貞山窯の矜持。

河井寛次郎氏の系譜、貞山窯岩田製陶所。
「用の美」を求める陶工、貞夫・健二両氏が
手作り･手描きにこだわった、砥部焼です。